2020年6月27日土曜日

オラファー・エリアソン ときに川は橋となる



先日、オラファー・エリアソンの個展を観に行った。
コロナの騒ぎで開催が延期され、3月に行くつもりが6月になってようやく行けるようになった。
その日は雨の平日ということもあり、そこそこ空いていてゆっくり観れた。

以下、ネタバレも含むので、観に行く予定の方は、ここで閉じてください。





展覧会全体を通して、作品自体の実体性よりも、そこに鑑賞者が介在することによって起こる現象そのものを作品としている展示は、とても自分好みで素晴らしかった。

作品自体に実体がないというのは、例えば霧に映る虹の作品など、通常では触らないように柵が設けてあったりするが、作品自体が触れられるものではないため、柵などない。
あるのは天井に設置された噴霧器とライトだけ。
そこに映る虹も、鑑賞者が動き、見る角度が変われば見えたり見えなかったりする。

とても音楽的な表現だなと思った。

触れられないけど、確かにそこにある現象。
それに見入ってしまう様。

自分は、とにかく単にビジュアルアーツではなく、スペーシャルアーツ(空間芸術)が好きなんだなと。


3つの円形のガラスがゆっくりと回転する展示では、
色の重なり合いで、空間の中に様々な色が現れては消えていく。
ランダムに重なり合う円形の色の動きを見守る展示空間。
時折、全ての円が真横になり、すべて棒状の影のみが壁に映っている瞬間があり、
その時だけ全ての色が無くなった。
何かしらの色があり続ける状態=写真映えのする状態から、色が失われて写真映えしなくなった時に、この瞬間がもっとも映えるな。写真では伝えられないけど。
と思ったりした。勝手に映え画像ありきで拡散されるいまの情報のあり方について考えたりしていた。たぶん、作品の意図とは関係ないけど。

そもそも、作品をどう見るかは鑑賞者の自由なので、そこに絶対的な答えなどない。

"何を読もうと聞かされようと
自分自身の理性が同意したこと以外、何も信じるな"ゴータマ・シッダールタ


昔から、ずっとそれでしかない。
これは、全てのことに言えると思う。
専門家しかものが言えない世の中なんていいわけない。




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