2015年9月28日月曜日

鳥取制作

鳥取藝住祭の制作で先々週、再度日野町に行ってきました。
6月の時点でお化けゴミ屋敷となっていた現地の古民家。
東京の自宅で音の制作を進めつつも
現地からの2転3転する通達に四苦八苦しながらの制作でした。
当日、蓋を開けるまで現場の状況が見えづらい状況の中
13時間に及ぶ移動の末、なんとか現地入り。
着いたその日から制作が始まりましたが、
当日は流石に意識もうろうとして、頭が動かない状況。
本格的な制作は翌日から開始となりました。

今回、音の作品なので、メインは音。
その音を、どうやって鑑賞してもらうか。
ということが最大の課題でした。
普段、展示作品を鑑賞する際、視覚からの情報が比重として大きく
聴覚へ訴えかけるものに触れる作品が少ない様に思っていました。
視覚を出来うる限り制限して、純粋な音のみをいかに届けるか。
四苦八苦しましたが、結局、最初に思っていた様に、
窓を塞ぎ、暗転して、ゆったり座れる椅子を配置し、
なるべく身体的活動を制限する様に仕向ける事で
聴覚へのアプローチを出来うる限り拡大する試みとなりました。
以下、今回の制作のコンセプトです。

普段の僕の演奏活動の中で 日々、秒単位で情報が行き来し、生活サイクル自体のタイム感が 速い現代の中で、 一曲2時間というのが当たり前のインド古典音楽のタイム感を 表現することは簡単なことではありません。
時代のタイム感は、良くも悪くもあらゆる表現に 大きく影響しているものの一つだと思います。
日野町に初めて訪れた時、 東京とのタイム感の違い 都心のそれとは全く違うゆったりとしたタイム感と、 どこにいっても流れている綺麗な沢、それによって育まれている土地の豊かさに触れ、 ここでなら普段は出来ない長いタイム感の表現が出来るのではと思いました。
この古民家の中で 空間の響きが最もインドの響きに近いのが 土間の空間でした。 日本家屋は、木と土と紙で出来ているので、 殆んどが反響の無いデッドな空間が多い中、 石造りのインドの建物のような土間の反響。 普通、音を使った表現では嫌煙される空間が 今回のイメージに合う場所でした。
多々良の山に入り、朝の鳥、夕方の沢のそば、虫の音、カエルの声、その土地に歌い継がれてきた祝言唄。 3つのスピーカーを使い、「自然」「現代」「伝統」の3つのコンセプトの録音を それぞれ個別にループ再生させて、水色からゆっくり緑色にグラデーションしていくような、変化していく音の重なり合いと、 4つ目のスピーカーで、表に置いたマイクの音の「今」の音を混ぜています。 そこに少しだけ、Aprlの牧唯くんのスパイスを加えています。 その音空間のゆっくりとした変化で 長いタイム感の体感を表現しました。
本質を見極めるために、形から求める目を塞ぐ。 目を瞑り耳を澄ませる行為が現代には必要なんだと思います。
いつの間にか眠ってしまうくらい、ゆったりして貰えたら幸いです。

2015年9月23日水曜日

秋分

【TOPIC】秋分は中道の象徴
中庸が心地よい秋分は、西方浄土を重んじる仏教でも「彼岸会」という最大の仏教行事の日であり、神社でも秋季皇霊祭という歴代の天皇を奉祀する重要な忌日となっています。
仏教における彼岸は、祖先を祀る他にも精神的に特別な意味合いをもっています。ブッダは厳しい苦行と快楽主義という両極を体験したうえで真理を探していま したが、あるとき、苦行している最中に、歌いながら通りかかった農夫から“弦は強すぎると切れる、弱いと弱いでまた鳴らぬ、ほどほどの調子にしめて上手に かき鳴らすがよい”と言われ、雷に打たれるような思いで真理を悟りました。
ブッダが悟ったことは、“無常”、すべてが変化し続けているというシンプルなこと。変化するという事実を認めないこと=「無知」が「迷い」を生み、「迷 い」が「欲望」を生み、「欲望」が「執着」を生み、「執着」が「苦しみ」を生むという心理的な構図に気がつきました。両極端に走らない「中道」こそが大切 なのだ、と。ブッダは35歳で悟りへの鍵を手にしました。
中道を行くということは、アンバランスや偏りを認めることでもあります。中道は、まんなかで静止して動かないことではなく、変化の動きのなかでつねにバラ ンスを意識することです。風に吹かれ、揺れる木々のようにしなやかであるということは、自然のあり方の基本スタンスかもしれません。

以上、地球歴から引用。


今日は、そんな秋分。
偏らずに真ん中でいたいですね。

当たり前のように、こうあるべきというような型にはめ込んで世界を見ること。
それは、全ての物事を一元的にみてしまうステレオタイプなものの見方。
その、ものの見方自体がすでに前時代的で古くさい。
本質を見極めるために、形から求める目を塞いぐ。
目を瞑り、耳を澄ませる行為が現代には必要なんだと思う。


2015年9月18日金曜日

鳥取弾丸

今夜から弾丸で鳥取へ。

前回6月に多々良跡地で録音した素材を
マルチ立体音響として現地にインストールする作業。

ヘビーな日程前の精神的チューニングを

2015年9月13日日曜日

FUSION2015 後記

一昨年から参加させてもらっている奥多摩の野外イベントFUSION.
今回はAprlでの参加でした。

空気的にメインは、アッパーな踊れる感じ。
サブはまったりチルアウトな感じ。
でしたが、僕らの出番が19時だったので、まだまだアガりたい人ばっかり。
しかもサブなので、聴いてくれた人は、善くも悪くも変な人だと思いますw
そんななかで、超集中力使ってどっぷりと濃いめの落としてきました。
聴いてくれた皆さん、ありがとうございました。

サウンドシステム的にローがオーバーして、ブンブンいっちゃってましたが、、
まあ。。山の中なので、時折聴こえる虫の音がやっぱり良かった。


最後までいられなかったので聴きたかった演奏も観れずでしたが、
久しぶりに会えたみんなが元気そうで何よりでした。

今日は鳥取の制作の最終調整に費やします。




2015年9月8日火曜日

FUSION 2015 TIME TABLE

今週末は奥多摩でのFUSION2015に出演します。
今日、タイムテーブルの発表があったので、
こちらでもご案内。



僕は、サブフロアの方のヨガのKaalenaとAprlでの出演です。
早めの時間に出演終わるので、その後はゆっくり楽しもうかと思います。
今週は台風で生憎の天気ですが、週末は晴れるみたいです。


2015年9月6日日曜日

鍼メモ

靭帯を痛めて鍼治療に通って
そこで学んだ事をメモしておく。

傷めた靭帯を修復するには

まず固定して動かさない事。
腫れが引いてきて回復してきたら
少しずつ動かしていく。
動かしてはマッサージして、また炎症するので
休ませる。

古傷は血液の流れがあまり良くない状態で
肩こりのようになっているので
鍼で刺激を与えて血液を集める(炎症をおこさせる)。
血液が集まって治癒力が上がるので
傷が修復に向かう。

炎症しすぎると組織を傷めるのでその場合は冷やす。


今は、少しずつ動かしていく段階。
じっくりと基礎練習から。
身体をしっかりメンテナンスしていって長く長く使ってやる。


 

2015年9月5日土曜日

TOKYO WALKMAN

鳥取では、Aprlのサウンドインスタレーションの空間の
ヴィジュアル面でSIDE CORE松下徹くんが参加してくれる事になった。
そのSIDE COREの展示が今日から六本木で始まるというので、
今夜は久しぶりに六本木へ。





1979年、SONY社からWALKMANという和製英語のプロダクトが発売され、全世界的なヒットとなった。WALKMANのヒットは街に音楽を流すと いう発想から、人に音楽を流すという転換にあった。つまり一つの同じ公共空間に居ながら人々は別々の音楽を聴くことが可能になり、それぞれの”視点”にお いて公共空間に異なる見方/感じ方をすることが促されたということである。
本企画では、そのようなポータブル・メディアによる都市空間における表現の拡張をテーマとしている。都市空間において、特に東京という都市においては個人 が公共空間に介入していくことは極端に難しく、いとも簡単に警戒・排除の対象にされてしまう。公園から遊具が消え、ドローンは早速議論の的となり、ネット 上の発言は監視され、自転車での移動までも厳しく見張られている。しかし規制や自主規制が強化される今だからこそ、公共空間に新しい自由をもたらす、ポー タブル・メディアの発想と新たな視点の提案が求められている。

In 1979, SONY released the portable music playing device known as the WALKMAN. The English word was completely understood by Japanese, and soon became a worldwide hit. The major success of the WALKMAN was it injected personal music choice into city life. We could share the same physical space like always, but the WALKMAN user completely controlled their own private soundtrack, creating an infinite number of different experiences of the same space. In other words, it enhanced the users direct point of view, enabling a completely individual experience.
The center theme behind this exhibition is the expansion of individual expressions in urban environments, with the use of these portable medias. Currently it is much more difficult for individuals to interact or express themselves in public, especially in Tokyo. The WALKMAN way allowed people to opt out from avowed rules. Playground equipment have disappeared from parks, and remote controlled surveillance drones have become a discussion point. Internet comments are monitored, recorded and backed-up, and even bicycles that run through places which should be considered public land are confiscated by new city regulations.External regulation and self-regulation have both intensified. Now more than ever new perspectives are needed to bring freedom back to public spaces.

SIDE CORE -TOKYO WALKMAN-
アーティスト:EVERYDAY HOLIDAY SQUAD|MADSAKI|Mark Drew|菊地良太|小畑多丘|TENGAone|松下徹|yang02
会期:2015年9月5日(土)- 10月10日(土)
開廊時間:13:00-19:00
休廊:日、月、祝日
オープニングレセプション:9月5日(土)19:00-21:00
会場:hiromiyoshii roppongi
〒106-0032
東京都港区六本木5-9-20
www.hiromiyoshii.com


SIDE CORE -TOKYO WALKMAN-
Artists:EVERYDAY HOLIDAY SQUAD|MADSAKI|Mark Drew|Ryota Kikuchi|Taku Obata|TENGAone|Tohru Matsushita|yang02
Term:5th, Sep(Sat), 2015- 10th, Oug(Sat)
Open:13:00-19:00
Close:Sun、Mon、Holiday
Opening:5th, Sep(Sat)19:00-21:00
Venue:hiromiyoshii roppongi
〒106-0032
5-9-20, Roppongi, Minato, Tokyo
www.hiromiyoshii.com

2015年9月4日金曜日

鳥取藝住祭制作日記其の2

現地の音をひたすら聴いている。
音楽作品を創るのとは違い、
サウンドインスタレーションなので
もっと空間創作に近い。

先週、等覚院の影舞での「場」についての考察も
制作にいいヒントになっている。

せっかく録音したものだし、後日音源として発表してもいいかな
と思ったりもしていたが、
制作が進むにつれて、完全に音源での再現は難しくなった。

今回、新しい試みで毎度音環境がリアルタイムに変化していく
プログラムを組んでいる。
 なので毎度、同じものが再生される音楽作品としてのリリースは出来ないものになった。

 展示でしか出来ないものが出来つつある事は、もともと望んでいた形なので
いい形になりつつある。