2015年4月16日木曜日

vilayat大先生

7月にとある場所での演奏をするにあたって、
シタールの大先輩からVilayat Khan大先生のJhinjhotiの音源を頂いた。

これが、ものすごくて。
 大先生の全盛期のとんでもない演奏。

一つ一つの音にまったくの無駄が無く、
とてつもなく純粋でエネルギーに満ちた演奏。

インド楽器であるシタールの新たな可能性を模索する表現を探求しながらも、
すでにあるインド古典音楽のもの凄さを噛み締める。

残念ながら、インド古典音楽が今、日本でその音がしっかりと響いているとは言えない。
その他のワールドミュージックとごたまぜになった一つのエキゾチックな
民族音楽くらいのポジションだろう。

この音楽が表現しているものは、計り知れない。

音楽である以上、感情や精神に作用することは確かなので、
副作用的に魂のうんぬんというのは勿論あるだろう。
ただ、そういったイワユル、スピリチュアルな側面は、
インド音楽に限った話ではない。
むしろ、ヨガなどの方がもっと直接的な分、効果も早いだろう。

この音楽が純粋に素晴らしいと思える理由の一つは、
その1音の扱い方にあると思う。

たった一つの音を表現する為に、そこに向かうまでの展開と間の無限の彩り。

その一つ一つの音が息も出来ないほど、美しくも儚く、
闇の中に一瞬たち現れる火花の様に鮮明に響いては静寂に消えていく。

これは、肌で感じるしかない。
聴いているうちにいつの間にか自分がその音の奴隷のように
ただ、音の流れに逆らう事無くありのまま全てを預けている状態を。
それを体感するしか無い。

それを体感させてくれる音楽なのです。

 

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